スガシタの眼〜深層海流を読む 第90回
2006年02月21日
1月17日金曜日の週末、東証平均株価は330円安と大幅下落した。新興3市場も総崩れとなって"ライブドア・ショック"後の安値を更新。直近公開株も売られた。週明けの20日以降、ライブドア事件の捜査もヤマ場をむかえ、新たな逮捕者や事件の余波を懸念して、投売りに近い状況となっている。昨年後半からの株高トレンドもついに終わったかと見る向きも出ているかもしれないが、東証平均株価はそれほど下げていない。しかし、武部幹事長周辺にライブドア側から不正なマネーが流れているのではないかという疑惑が早く払拭されないと株式市場全体が下げ局面に突入する可能性がある。
ライブドアスキャンダルが武部幹事長や小泉首相を直撃するようなら"改革進行"による株高シナリオが崩れてしまうからだ。チャートで言えば今後平均株価が1万5000円の大台を大きく割り込むかどうかが正念場となる。もし、1万5000円を下回って下げ止まらないというような展開になれば調整は長引く。どちらにしてもマザーズをはじめとした新興市場はすでに壊滅的な打撃を受けており当分日柄調整を続けながら底値模索ということになるだろう。
しかし、直近に発表された昨年10〜12月の第4四半期のGDP(国内総生産)は年率で5.5%と、4期連続プラスという伸びを示しており、日本経済のファンダメンタルズは着実に回復している。振り返ってみると昨年5月の平均株価1万825円からスタートした株高は年初までに実に月足で9本連続の陽線であった。ライブドアスキャンダルが発生していなくても株価はいつ急落してもおかしくないタイミングであった。
新興市場やIPO銘柄も上がりに上がり続けた後だけに大幅下落も不思議ではない。「山高ければ谷深し」、あるいは「満つれば欠くる」という相場の法則通りの展開と見えなくもない。また相場世界では「売り、買い、休む」の三法を極めてこそ相場の達人といわれる。ここは世の中が落ち着くまで「休むも相場」という、いにしえの教えを、身をもって、実践する局面である。1月16日のライブドア事件発生の翌日に全てを手仕舞いして今悠々としている人がいれば、まさに相場の名人だ。それができなかった人は今さらジタバタしてもはじまらない。ここは池波正太郎先生の「剣客商売」でも読んで気分転換をはかる時である。そして、次のチャンス、相場の転機を待つというのが凡人の心得である。
終わり
今週注目の本
そこでまずは池波正太郎 剣客商売のその2「辻斬り」、その3「陽炎の男」を読了した。
「日本経済を学ぶ」岩田規久男 ちくま新書
今年も4月に立命館大学経営学部で講義する予定なので、学生向けの日本経済入門書として紹介するのに良いのではないかと読んでみた。
エンターテーメント系では「おそめ」 石井妙子著 洋泉社
その昔、川口松太郎作で映画化され大ヒットした「夜の蝶」のモデルといわれる伝説の銀座マダム「おそめ」の半生。興味津々。
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