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スガシタの眼〜深層海流を読む〜第56回 平成16年09月28日
楽天かライブドア
か 今回の近鉄、オリックス合併に端を発したプロ野球界の御家騒動は奇しくも日本社会の深層を浮き彫りにする結果となった。まず第一に近鉄はなぜオリックスとの合併以外の選択を考えなかったのか? 外部にスポンサーを求めるとか、新しい企業に売却するとかという選択はなかったのか。そうすればパリーグの球団をひとつ減らすこともなく、近鉄の選手達を失業させることもなかったわけである。しかも今期パリーグの5位、6位チームが合併したからといっても強くなれるのであろうか。魅力あるチームになれるのであろうか。第二に、楽天、ライブドアが名乗りを上げた時、どうして交渉の余地がなかったのか。全て疑問である。多分、オリックス、近鉄首脳による水面下の談合によって全て決めた後に発表したから双方引っ込みがつかなかったのだろう。楽天が神戸を本拠地にというとオリックスが強硬に反対したという。また、最初ライブドアがプロ野球界に参入を表明した時もプロ野球オーナー会議はまったく相手にしなかった。読売巨人軍のオーナー・ナベツネこと渡辺恒雄氏は「堀江などと顔を見たこともないようなヤツを相手にできるか!」というようなことを発言。プロ野球選手会会長の古田敦也選手が球団オーナーたちと話し合いたいと主張した時には「選手ごときが何を言うか」という傲慢不遜(ごうまんふそん)な態度で世の中のひんしゅくを買った。ナベツネ氏のように長く権力の座に居座ると自らを帝王かキング(王様)になったかのように錯覚するようだ。あの調子で発言を続けていたらおそらく読売新聞の不買運動や巨人戦ボイコットの動きさえ起こりかねないほど庶民の怒りや反発は大きかった。現に巨人戦のテレビの視聴率は急落している。今の日本社会はこのナベツネ氏や球団オーナーたち、あるいはNPB(日本プロ野球連盟)の人たちのように権威主義、形式主義になっている。自分たちの既得権にどっぷりつかり、新参者には参入障壁を設けて参加を拒否する。「誠意を持って」、とか「公正」とか耳障りの良い美辞麗句を並べて結局何もしない。何も変えようとしない。これがバブル経済崩壊後10数年にわたって日本の凋落が続いた元凶だ。「情報化社会」というグローバルな変化にキャッチアップするために、「起業家社会」という新しい時代の到来のために世代交代を進めなければならない。いつまでも権益にしがみつく既得権者たちを退場させなければ日本は変わらない。その意味でも今回の仙台を本拠地とする新しい球団の戦いは見ものである。楽天かライブドアか。既得権者たちにそれなりに礼を尽くす(根回し)楽天か、老害は消えろと既得権者に真っ向から戦いを挑むライブドアか。今までなら既得権者に丁重に挨拶する楽天が勝つはずだが、筆者はライブドア堀江さんを応援したい。ガンバレ!ホリエモン!!
<今週の注目の本>
経済書では「知識資本主義」レスター・C・サロー著(ダイヤモンド社)
ついに熱い暑が終わったが今年も充分休暇を取ったとは言えない。
そこで「リゾートホテル・ジャンキー 贅沢な休息」村瀬千文著(幻冬舎文庫)
ついでに帯びの文章も紹介しておくと「海辺の優雅なホテルで極上のリゾートライフを」
石田衣良さんの最新作「約束」(角川書店)
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