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スガシタの眼〜深層海流を読む〜第53回 平成16年08月10日
熱狂サッカー観戦
今回はなんと言ってもサッカーの話題。日本がアジアのチャンピオンになった。その準々決勝の試合が凄かった。日本・ヨルダン戦。1対1の同点で延長戦でも決着がつかずついにPK戦。日本側は最初に中村選手が大きくゴールの上に外す、次の三都主選手も失敗。この時点で2対0双方5人ずつが蹴るわけだからあと1人失敗すれば万事休す。絶体絶命のピンチ。誰もが日本の負けを予想した。ところがその後ゴールキーパー川口選手の大活躍もあって日本は奇跡の大逆転の勝利となる。そのきっかけがゴールポストの変更というちょっとした出来事が流れを変えた。準決勝戦、日本・バーレーンの試合でも終了間際の44分頃に中沢選手のダイビングヘディングシュートで同点に追いつき延長戦へ。玉田選手が相手ディフェンス陣のふたりの選手を振り切ってゴール。熱戦を勝ち取った。決勝の日本・中国戦では1対1の同点の後半に2点目を追加。これがハンド(ボールが手に当たった場合は反則)だと中国側は大騒ぎ。しかし、終了直前のロスタイム3分の間にまたまた玉田選手のダメ押しのゴールで日本は優勝した。サッカーアジア大会を通じて重慶でも北京でも中国観客からは「小日本」「バカヤロー日本」のヤジが鳴り響いた。日本国家斉唱の時でさえブーイングは止まらず大半の観客は起立もしなかった。このようなスタジアムのひどい雰囲気の中で日本チームは接戦を制して勝利した。すでにどのゲームも観戦した人は多いだろうから試合内容の解説をわざわざすることはないかもしれないが、今回の日本チームにはツキがあった。確かに日本選手たちの実力はアジアにおいてはトップクラスなのだろうが、勝負の世界は実力どおりにいくとは限らない。特に今回日本はアウェー(敵チームの国で戦う試合)の上に、中国市民の反日感情という圧力(プレッシャー)があった。それがどの程度のものであったかは日本・中国戦の日の警戒厳重ぶりで充分に想像できる。警察官、機動隊1万人以上の配備でまさに北京は戒厳令の夜といってよい。しかし、観客は試合後、日本の国旗、日の丸を燃やしたり、日本公使の車に襲い掛かったりして、日本チームの選手団やサポーターは2時間以上もスタジアムに釘付けとなった。それでも日本チームは勝った。なぜなら勝利の女神が日本チームに微笑んだからだ。これは何もサッカーの世界の話だけではない。相場の世界においてもツキがなければ勝つことは難しい。どれだけ金融や経済の勉強をしてもとっておきの株情報を知ってもここという時に売り、チャンスに得点(利益確定)するのは容易なことではない。とにかく、逆境の中少ないチャンスをものにした日本チームに敬意を払いたい。素晴らしい試合内容に祝杯をあげたい。とくに冒頭に紹介したPK戦は歴史に残るドラマと言ってよいだろう。
追伸:サッカー反日応援騒動については本日8月10日付の産経新聞の一面「産経抄」の記事を是非ご一読下さい。
<今週注目の本>
今週注目の本は、夏休みなので欲張って色々選んでみました。
「日本百年の転換戦略」月尾嘉男著(講談社)
「歴史の使い方」堺屋太一著(講談社)
「治乱興亡の人間学」守屋洋著(プレジデント社)
「わが人生の時の人々」石原慎太郎著(文藝春秋)
「ワイン一杯だけの真実」村上龍著(幻冬舎)
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