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スガシタの眼〜深層海流を読む〜第41回 平成16年02月10日
2月7日朝日新聞の朝刊、「新興市場、個人マネー流入」の見出しが目を引く。経済面で個人マネーが新興市場にグイグイ流入し、注目を浴びているという内容の記事を大きく取り上げていた。ジャスダック平均株価は昨年末から1月27日までに21営業日連騰し、2月に入って上下しているが今なお高値水準を保っている。東証の新興市場マザーズも昨年9月から算出始めた指数からすでに2倍近い水準に達した。ジャスダックの2003年の売買代金は前年の1.7倍に伸び、2004年も高水準で推移している。活況の背景には新興企業の好業績に加え、近づく年度末に東証1部企業のように株式の保ち合い解消売りによる需給悪化や円高進行による為替差損などの心配がないからである。つまり、新興企業の多くは新しいタイプの内需関連株でデフレにも円高にも強い。ジャスダックの投資主体(売買代金ベース)は個人が約49%、東証1部は18%と大きく差がついた。だから、東証1部の大企業の株価が伸び悩み中、ジャスダック・新興市場が個人マネーを呼び込んで堅調な値動きを続けている。(以上、朝日新聞記事要約)これはもう当たり前の話だ。今まで銀行預金しかしなかった人々が来年から始まるペイオフ完全解禁に備えてリスクを承知で株式投資に参入してきている。リスクがあるなら大きく儲けようと誰でも考える。2年も3年も持って大して株価が上がらない大企業の株式などいずれ誰も見向きもしなくなる。また、年間10%ぐらいの値上がり益では勘定が合わない。手数料や税金を支払った後、少なくとも20〜30%の利益を狙いたい。株式投資というのは失敗もあり損もするのだから勝つ時はある程度儲けなければ話にならない。だから5年先、10年先を見越して今良い株を買いましょうなどという専門家がいるが、筆者には当るも八卦当らぬモ八卦という裏付けのない易者の気休めのようなセリフとしか思えない。株式投資に勝つためにはできるだけ短期間に着実に20%前後のキャピタルゲインを狙える株を探し出し、値上がればその日にでも利食うという"デイトレーダー型"か、ヤフーのように株式分割を取っていけばこれまた着実に資産が増える株をできるだけ引きつけるという"雪だるま型"のどちらかだ。さて、今日の結論だが、当世の日本人、日本社会の価値観が激変しつつある。今までのように一流企業、大会社で働くことや大企業の株に投資することで成功すると思わなくなっている。大企業よりベンチャー企業に就職する。大企業の株より、新興企業の株を買うというのが常識になる。だから今や東証1部の大企業の株価はモタモタしているが、ジャスダック、マザーズなどの新興企業の株価はますます上昇するという二極化の傾向がしだいに顕著になっている。まさに世の中はオールドエコノミー売りのニューエコノミー買いという流れが決定的となった。今回は何だか株式市場の話ばかりになったが、世の中全体の動きを株価が先行して現しているということを最後に付け加えておきたい。
それでは今週の注目の本ですが、気分転換を兼ねて久しぶりに松本清張氏の代表作をいくつか読み直してみたのでここに紹介する。
<今週注目の本>
(1)「砂の器」、SMAPの中居くんが好演して話題のテレビ番組、
(2)「蒼ざめた礼服」、
(3)「眼の壁」、
(4)やはり「点と線」と、
(5)「ゼロの焦点」は代表作ということで、
(6)「蒼い描点」、
(7)「影の地帯」、
(8)「迷走地図」、
(9)「彩り河」、
(10)「神々の乱心」
(1)〜(7)はいずれも力作で面白い。新潮文庫で読んだ。(8)は新潮社(上・下)(9)は文藝春秋(上・下)(8)、(9)は小説の舞台に興味を持った。(10)は清張最後の未完作品で結末を読みたかったという遺作。文春文庫で読んだ。
清張作品は時代物を除いてほとんど読破したのでその中から再読したいものを選んでみた。ベストテンと言われるとかえって難しい。「黄色い風土」、「深層海流」、「黒革の手帖」、「けものみち」、「天才画の女」、「雑草群落」、「球形の荒野」など上げるときりがない。
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