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スガシタの眼〜深層海流を読む〜第31回 平成15年9月09日
"宰相の器"
いよいよ注目の自民党総裁選が迫ってきた。9月8日告示、9月20日投票で、日本の新しい宰相(リーダー)が決まる。しかもその任期は今回から3年(従来は2年)に延長される。そこで今回はスガシタ文庫?とも呼ぶべき収集ファイルした新聞、雑誌、書籍の中から総裁選に関する有力情報を2〜3紹介する。直近のものでは日本経済新聞、9月1日の朝刊の「小泉純一郎」とは何か。政局揺さぶる冷静と激情。コラムニスト田勢康弘(たせやすひろ)氏の記事は小泉首相の人間像を簡潔に描いている。首相側近10人ほどから取材、全員が匿名を条件にしたというから本音に近いものだろう。「言い難いことですが、五合枡には一升の酒は入らない。ということです。」、「戦略家です。政策はよく理解しているとは思えないが、政局の感はすごい。舌を巻くようなことが何度もありました。」、「軸が全くぶれていないように見える、というか、見せる。相当ぶれてはいるんですが、ご自分で一貫していると言い続けるとそういうイメージになる。」、「政策の整合性が欠けている」など、周辺の反応は六割評価、四割落胆だったという。「時には冷たすぎると思われるほどクールな心と、人前でもはばからず号泣する激情がまだら模様になっている。」と田勢氏は分析する。次に福田和也著の「いかにして日本国はかくもブザマになったか」(文藝春秋)。その中で福田氏は「前回の総裁選での小泉純一郎氏の地滑り的勝利によって旧経世会を打ち破ったことは自民党の政党としての命脈が完全に尽きつつあるだけでなく、戦後日本の政党政治の歴史が終りつつある」と指摘。また氏は「総理の値うち」(文藝春秋)の中で歴代総理56人を100点満点で採点し、小泉首相には29点という落第点をつけている。ちなみに採点基準としては30点未満は「明確に国を誤り、国家社会に重大な危難をもたらした。もしくは後世に多大な弊害を遺した」としている。森喜郎30点、村山富市28点と並ぶ低得点だ。今、その小泉首相の支持率はどの調査でも60%を超え、総裁選を圧勝する勢いだ。福田氏の採点が間違っているのか、支持率がおかしいのか。さて最後に文藝春秋8月号に掲載された「宰相の器」石原慎太郎連続対論、安部晋三、野中広務、中曽根康弘を今また読み返してみた。−明日の総理は誰か。その資格は何なのか。−を考えるためのヒントとなる。中でも「総理は歴史の法廷に立つ」という見出しの石原、中曽根対論が興味深い。さて今回は自民党総裁選にまつわる話しになったが筆者の結論を言えば将来ぜひ若手政治家の中から候補者が出て欲しい。もっと魅力ある政治家が出て欲しい。何よりも政界の世代交替が求められる。
<今週注目の本>
城山三郎著「賢人たちの世」(文藝春秋) 初版1990年11月20日
早野透著「政治家の本棚」(朝日新聞社) 初版2002年5月5日
エンターテーメント分野では今回ちょっと堅苦しい話しでしたので
五木寛之の「レッスン」、「燃える秋」、「大人の時間」。
それぞれ新潮文庫や角川文庫に収まっていると思いますが、
ロマンチックな気分になりますので特に女性にはお薦めです。
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